月別アーカイブ: 2025年8月

第18回土木工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社酒井建設、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~“速く・正確に・安全に”~

人手不足と短工期の時代、ICT土工は“特別な現場”ではなく標準装備です。本記事は、測量→設計→施工→検査の各所で“どこから入れると最短で効くか”を、導入順にまとめました。







1. スタートは“測る”から:UAV/レーザ測量 ️




  • UAV写真測量:GCP(基準点)を最小でも4〜6点、遮蔽物の多い箇所は追加




  • レーザ(地上/搭載):法面・樹木下の地表形状が必要なときに有効




  • 精度管理:既知点で検証点を設け、±数cmの残差を確認




  • 成果点群・DSM・オルソをCIMへ投入








2. 3D設計データの作り込み




  • 基準面・線形・構造物を階層化(レイヤ)




  • 設計断面→サーフェスを生成して出来形の判定面を定義




  • 干渉チェック:ボックスカルバート・管路・擁壁のクリアランスを可視化




  • バージョン管理:設計変更のRev.履歴をCDE(共通データ環境)で統一








3. MC/MGの導入:効果が出る組合せ




  • ブル/ショベル/グレーダMC(マシンコントロール)/MG(マシンガイダンス)




  • 土量・仕上げ面が厳しい盛土・路盤で費用対効果大




  • 座標管理:ローカル座標と公共座標の相互変換を標準化




  • 通信:フィールドデータはクラウド同期、改版は朝礼でQR配布








4. 出来形・出来高の“自動化”




  • 点群出来形:規格値±許容差でヒートマップ表示(NGは色で一目)




  • 出来高集計:サーフェス差分で土量を算出→実行予算と連携




  • 航測頻度1〜2週に1回の定点飛行で工程管理を見える化








5. 安全×ICT:接触ゼロの運用




  • 重機周囲の“仮想立入禁止”(GNSS+ビーコン)




  • バックホー死角アラート(カメラ/センサー)




  • ヒヤリハット動画+座標で保存→再発防止教育に活用








6. 環境・近隣対応もデジタルで




  • 騒音・振動IoTセンサーで常時計測→ダッシュボード共有




  • 濁水:SS/濁度の連続監視+自動記録(報告書が“ワンクリック”)




  • 工程広報:週次のオルソ画像を使った「今週の進捗」掲示板️








7. 導入費を回収するコツ




  • 部分導入:最初は土量管理+出来形判定に絞る




  • レンタル活用:MC機はピークのみレンタル→稼働率最大化




  • 補助金・加点:要件に合えば加点・支援制度を積極活用(申請は設計データと成果物で準備)








8. データ品質の“あるある”と対策




  • 点群ノイズ:水面・金属反射→マスク処理




  • 座標ズレ:既知点の誤差→再観測・基準点の二重化




  • 設計変更反映漏れCDEで承認フロー&朝礼で更新宣言




  • ファイル肥大:領域分割・LOD・点密度調整








9. ICT導入チェックリスト ✅




  • GCP/検証点の配置図・観測記録




  • 3D設計データ(サーフェス/線形)とRev.履歴




  • MC/MG機の座標設定・通信テスト




  • 点群出来形の許容差と判定ルール




  • 週次オルソの工程共有(所内/発注者/近隣)




  • センサー(騒音/振動/濁水)閾値と通知先




  • 成果品の写真・図面・台帳の自動連番




 

 

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第17回土木工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社酒井建設、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~安全・品質・工程・原価~

 

土木工事は**SQCD(Safety/Quality/Cost/Delivery)**の総合格闘技。どれか一つでも崩れると、現場は必ず揺れます。本記事は、着工前〜引渡しまでの実務を“そのまま使える粒度”で整理しました。明日の朝礼からどうぞ。







1. 立上げ:着工前にやるべき8つ ✅




  1. 現地踏査(埋設物・法面・湧水・通学路)




  2. 近隣説明(工期・作業時間・騒音/振動・車両ルート)️




  3. 仮設計画(ヤード・仮囲い・動線・消火器・AED)




  4. 交通誘導計画(警察/道路管理者協議・片側交互・保安灯)




  5. 雨天対策(仮排水・濁水処理・土のう・ブルーシート)️




  6. 施工計画書(工程・手順・機械・要員・検査計画)




  7. 測量・基準点(BM設定・丁張・3D座標管理)




  8. 安全衛生計画(KYT・作業手順書・リスクアセスメント)








2. 毎朝5分:朝礼KYTの型 ️




  • 今日の作業場所・内容・重機




  • 危険ポイント3つ(挟まれ・転落・接触)




  • 対策3つ(立入区分・合図員配置・足場点検)




  • 指差呼称復唱(合図の統一)「右良し・左良し・上良し!」





事故ゼロは“儀式”で作る。小さな型の積み上げが最強です。







3. 土工:雨に負けない段取り ️→️




  • 土質と含水比を毎朝チェック(手揉み+簡易測定)




  • 切盛りバランス:運土距離と待ち時間を短縮する土取り計画




  • 転圧:層厚15–25cm×規定回数/ローラーの重ね幅1/3




  • 仮排水:集水→沈砂→放流の線を先行施工(濁水対策




  • 試験:砂置換・平板載荷・CBR・路盤E値(必要に応じ実施)








4. コンクリート工:不具合“ゼロ化”の勘所




  • 鉄筋:ピッチ・かぶり・定着長の相互確認/写真はスケール入り




  • 型枠:通り・水平・すき間・剛性(バイブの当て過ぎ注意)




  • 打設:受入でスランプ・空気量・温度/供試体採取




  • 振動:層ごと・規定秒数・重ね挿入/過振で離型水を出さない




  • 養生:湿潤・保温・転圧振動の近接回避/仕上げ前に白華リスク確認








5. 舗装:平坦性と強度を両立するコツ




  • 路盤:締固め度OK→路面散水で微粉固定




  • アス合材:温度・搬入時間を台帳化/敷均し→転圧は連携重視




  • 継目:カッター直線・目地乳剤・温間ジョイント処理




  • 確認:平坦性・厚さ・コア強度・密度/ライン引きは完全養生後








6. 品質・出来形・写真の“3点セット”




  • 出来形:基準幅・高さ・勾配→丁張/TS/3Dで記録




  • 品質:各種試験成績+是正履歴を1シート化




  • 写真:着手前・途中・完了を同アングルで/EXIF・位置情報も活用








7. 原価&工程の見える化




  • 出来高カーブ(Sカーブ)×実行予算を週次更新




  • 労務・重機の稼働率(待ち時間の見える化)




  • やり直し率(工数+材料)をゼロに近づけるPDCA




  • 外注管理:出来形合格率・事故ゼロ日数・納期遵守で評価








8. 近隣に“好かれる現場”の作り方




  • 定期広報:工程だより・夜間作業案内・QR問い合わせ窓口




  • 環境:散水・防塵ネット・低騒音機・夜間照度の向き調整




  • 防犯:仮囲い掲示・巡回・資材マーキング・監視灯








9. 竣工・引渡し:最後まで美しく




  • 清掃:仮設撤去・舗装切継の段差・縁石周りの土砂処理




  • 書類:出来形・品質・写真台帳・完成平面/縦横断・試験成績




  • 検査:関係者立会→指摘は当日中に是正計画提示








10. KPIダッシュボード(週次)




  • 労災・物損ゼロ日数




  • 出来形合格率一次合格率




  • 工期遵守率(クリティカル工程の遅延日数)




  • やり直し率(%)




  • 苦情件数即日回答率




  • CO₂原単位・燃料使用量(任意)




 

 

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